top of page

 「抱き枕」というもの 


※HP内に書かれていた一部分を消してこちらに移しました


抱き枕というジャンル自体がかなりアブノーマルな印象がありました。

自分も初めて作る時は「とうとうやってしまうのか」という腹をくくるような覚悟だったのを覚えています。抱き枕を所持している人の世間から見た印象はあまり良いものではなく、自分がそもそもオタク要素を外に持ち出してしまう人を嫌っているで、それを推奨してしまうのではないかと。


でもよく考えてみると、抱き枕は最もディープで表になんか出ない趣味ですよね。

誰にも見られないところで自分の最愛のキャラクターとの距離が縮み、自由に、我儘に、大胆に、好き勝手に振舞える。誰もが「あの子をここへ連れてきたあかつきには…」と夢見た展開でしょう。そして自分が提供しているシチュエーションは元々アブノーマル。抱き枕がアブノーマルなら、性癖のアブノーマルを重ねてもそんなに変わらないんじゃないかな、と。

普通の抱き枕なら実家のお母さんに見つかっても呆れられて洗濯されるだけですが、ウチのようなマニアックな絵柄の抱き枕は母親や同居人になんて絶対に見せられないし、絶対に誰かに見つかる場所には放置しておかないですよね。

それどころか、何かも間違いで部屋を覗かれるなんて事のないように、普段の素行までしっかりするかもしれません。


そんな事を考えていたら、本当にどんどんマニアックな絵柄になってしまったのが、ウチの抱き枕です。

今では自分で制作した10種類以上の抱き枕カバーが私の自室の引き出しに眠っており、ひとつが布団の上に横たわっています。一人暮らしや理解者との同居でしか実現できない空間です。

一般的な抱き枕とは随分と意味合いが異なる抱き枕ですが、今やこの監禁にも似たアブノーマルなシチュエーション的に合うアブノーマルな抱き枕は、とても狭い一つのジャンルとしてここに存在しています。


みなさん、くれぐれもトラブルは起こさないようにしてください。


抱き枕が高額な理由


抱き枕のイラストは普通のイラストと違い、サイズも容量も、とても大きなものになります。

たった一枚分のファイルサイズで1GBを超え、普通のパソコンでは読み込みすら出来ません。

ゲーム制作時に購入したかなりハイスペックなPCでも、抱き枕原稿を2枚同時に読み込む事は出来ないでしょう。


半面、抱き枕のイラストは非常に繊細で、抱き枕原稿を描かれている絵師は普通の一枚絵の何倍もの時間と手間暇かけて制作しています。

些細な塗りムラを徹底的に無くし、線画を綺麗に整え、全体のバランス、色合い、布に刷った時を想定して仕上げ作業、適格な工場の選択。数えたらキリがありませんが、数十時間はかかります。このように、絵柄の向き不向きもありますが、描き上げられる人は限られており、非常に根気の要る作業です。


大抵の抱き枕カバーにはこの手間賃としてデザイン料が含まれており、抱き枕カバーが高額な理由になっておりますが、基本的に「二次創作」の場合は利益を出してはいけないものなので、手間賃は含めず、原価+諸経費で頒布するのが暗黙となっています。

紙に刷られた本の適正価格は同人活動をされていない方でも何となく分かると思いますが、近年流行している同人グッズは原価が高く、最低ロットによる在庫リスクもあり、しかも印刷所によっても価格がバラバラなので、本当に適正価格なのかどうか判断が難しい所です。


価格は付けたもの勝ちとおっしゃる同人作家も居るでしょう。(一次創作はそれでいいと思います)

ですが、やはり私から見ても世間の同人グッズは異様に高く感じ、同人ゴロや同人ヤクザと言われる「ジャンルは知らないけど売れるから作ってる人」「絵師に描かせて儲けてる人」が一定数居て、グッズ業界はその割合が特に多く、それを市場価格として誤認してしまう人が多いのも事実です。

個人でグッズを作って同じように価格設定をしても誰にも文句は言われないでしょう。

逆に安過ぎた場合、小数部高単価のサークルさんに迷惑がかかりますから、簡単には価格を下げられないのでしょう。


それでも、自サークルはそんな高額なグッズと対価が見合っていると思えないものを売り付ける為に同人をやっているわけではないので、極限まで安く扱っています。一点物のオーダーメイドは赤字になる事が多いですが、即売会で頒布するものはまとめて刷り上げるので6000円程度で売っても赤字にならない事が多いです。


低価格を強制するつもりはありませんが、需要が増えた現在、今一度価格を見直してみてはいかがでしょうか?

Comments


bottom of page